〜 黒豚焼豚あれこれ噺 〜

第1回] 純粋って…?


飲食店やスーパーなどでよく目にする豚肉表示 「三元豚」や「四元豚」…

この「○元豚」とは、いくつかの品種を 掛け合わせている豚のことです。

(例えば、三元豚とは三種の品種の掛け合わせ) 現在、食卓にあがる豚肉の多くは、

品種同士を組み合わせた豚ですが、黒豚(バークシャー種)は、掛け合わせなし

"純粋品種"のまま食べられています。その理由は簡単、
黒豚が本来もっている

独特の肉質を損なわないためです。また、規約によって
“黒豚”として

販売できるのは"純粋バークシャー"のみ。希少価値のある豚肉なんですね。


松屋でお作りさせていただく "鹿児島渡邊純粋黒豚"の焼豚は、

渡邊バークシャーグループ生産の"100%純粋バークシャー種"を使用いたします。

ほのかな甘味ときめ細やかな独特の食感が楽しめる逸品に仕上がりました。

[第2回] 鹿児島渡邊バークシャー牧場とは…?

鹿児島渡邊バークシャー牧場は "緑豊かな楽園"霧島山腹にあります。

40数年の歴史を持つ牧場名“渡邊”の文字は
「衰退してゆく黒豚を

絶やしてなるものか」とご尽力されてきてきた当時の牧場主、

前社長渡邊近男さんのお名前。自然に近い状態で普通より飼育期間が

2〜3ヶ月長い
270日以上、ストレスなく育てられた黒豚は

頑健そのもの、肉の成熟度も十分な状態になります。渡邊牧場では

“本物の味を出すために餌にこだわる”“発酵が美味しさの決め手”

という考えのもと、パンを主原料とした手作り発酵飼料を与えています。

これが安全性の高い、美味しい鹿児島黒豚"本物の味"を

引き出してくれているのです。 (発酵による病原微生物の抑制に有効)

牧場の黒豚へのこだわりは強く、平成11年に鹿児島渡邊バークシャー牧場を

商標登録しています。鹿児島県内には鹿児島黒豚の銘柄を表す

“黒豚シール”があるのですが、一切使用しない徹底ぶり。黒豚で

商標登録しているのは”鹿児島県”と
”渡邊バークシャー牧場”だけです。

この“こだわり”こそが美味しさの秘密なのかもしれません。

[第3回] 「鼻ぺしゃ」と「美味しんぼ」のおいしい関係 

黒豚は4本の足先と尻尾、 鼻先の6ヶ所が白いことから ”六白黒豚”と呼ばれるのが一般的。

鹿児島では、黒豚を顎が突き出て 鼻がしゃくれあがってる顔の特徴から

鹿児島弁で“鼻ペコ”と呼んでいます。 渡邊牧場で育った”純粋黒豚”は、

いつからか”鼻ペコ“の愛称”鼻ぺしゃ“と 呼ばれるようになり今日に至っています。

お顔同様に愛嬌のあるネーミングですね。 この”鼻ぺしゃ”たちがトコトコと駆け回る

渡邊グループの農場が種子島にあります。 話は変わりますが、食の本質を追求する

雁屋晢さん原作の国民的大人気美食漫画 《美味しんぼ》をご存知ですか? テレビアニメや映画になりました。

漫画83巻第2話”最高の豚肉”では、正真正銘本物の黒豚の美味しさがわかりやすく紹介されています。

その話の中で登場する黒豚と牧場のモデルは なんと、種子島の赤坂牧場なのです。

“鼻ぺしゃ“と”美味しんぼ”が”最高の豚肉”という キーワードで見事に繋がりました。

渡邊牧場で育った純粋黒豚”鼻ぺしゃ”は “美味しんぼ”も認めた“究極の味”ってことなのですね。

[第4回]  "黄金色"のたれで召し上がれ


薄ピンク色の肉で旨味と甘味を あわせ持つ極上黒豚。

キメが細かく柔らかい肉質と 歯切れの良さが特徴です。 しっとりしていて柔らかい… なのに歯切れがある

この肉質は、鹿児島渡邊純粋黒豚ならでは。美味しい発酵餌を与え牧場でのびのびと育てることにより

融点が低く、酸化しにくい良質の脂が生成されています。良質な脂は”白身”と呼ばれ、

口の中で、とろけるような美味しさを生み出します。まさに”黒豚の中の芸術品”

黒豚本来の肉質の良さを引き立たせ、より美味しく焼豚を食していただくため

特別に黒豚専用オリジナルの”黄金塩たれ“をご用意しました。

厳選された良質の胡麻のみを使用して低温でゆっくりと焙煎し、優しく圧をかけて搾った胡麻油と

海水を原料とした甘味を感じるまろやかな味の塩を調合した、香り良く旨味豊かな”黄金色“のたれ。

女性のお客様にもおすすめできる上品でまろやかな味に仕上がりました。

”美味しい黒豚焼豚を黄金塩たれで…” 松屋からの新しいご提案です。

[第5回]  "黒"なのに"白"?


純粋黒豚は、味だけではなく皆様へお届けする掛け紙についても考え、こだわってみました。

"黒”豚なのにどうして掛け紙色は"白”? 

黒豚の美味しさは、きめ細やかで弾力性のある赤身とともに、水っぽさがなく、口あたりが軽やかで

さっぱとしている"白身"が挙げられます。白身(脂身)の融点が28.4度と非常に低く、

どんなに食べても胃もたれをしにくいのは、純粋黒豚の特徴です。

"上質な白身"のイメージから選んだのは、和風の”檀紙”を再現した柔らかな風合いの紙、

雪のように真っ白な美しい白色です。皆様の楽しい食卓に… お出かけの際の手みやげに…

様々なシーンへ"こだわりの黒豚"をお届けできたら幸いです…


(第1回〜第5回)
2019年4月 焼士 遠藤剛