- 豚と鰹の美味しいお話 -

第一話 豚のお話

鰹豚で使用する静岡型銘柄豚“浜名湖そだち”は、

年間を通じて温暖な気候に恵まれた

のどかな湖畔の里、奥浜名湖で生まれました。

生みの親は、名人“とんきい代表” 鈴木芳雄氏

「いい餌がいい豚を育てる」

「豚肉の美味しさの8割は飼料で決まる」との考えのもと、

良質なとうもろこしや大豆を中心に自家配合し、

無添加で安全な飼料を作りあげました。

こうした手間ひまかけた、弛まぬ努力が身を結び、

なんと2000年には、銘柄ポーク高感度コンテスト味覚部門

全国第一位の称号を手にしました。

しっとりとジューシーな肉質、びっくりするほどさっぱりした脂身。

味付けは、松屋特製焼豚のたれにアレンジを加え、鰹節と合わせました。

松屋初となる和風テイストな絶品焼豚“鰹豚”(かつおぶた)が完成です。


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第二話 鰹のお話

『食の都』静岡県は、とにかく日本一がたくさん、収穫量やら出荷量、

漁獲量、生産量などなど『都』のレベルを超えて『王国』と言っても

言い過ぎではないほどの充実っぷり。
食文化に貢献し、尽力する”仕事人”も多く、

鰹豚は、彼らの多大なる恩恵を受けて完成した焼豚の傑作品なのです。

鰹は、御前崎近海の新鮮な生鰹を使用。セイロに置いた鰹を、薪の種類、

薪の焚き方、時間、空気量、
湿度等を調整しながら、直火で燻し、

乾燥を繰り返し(焙乾)、風味と薫りをじっくり熟成させます。

その後、天日干し、カビ付けを繰り返し、手火山式鰹節は完成します。

伝統的製法手火山式鰹節は、手間と時間、経験と技を必要とします。

鰹節は、島田市の名店『海産物処ふじ田』
二代目”仕事人”藤田氏に

削ってもらい、風味・旨味が広がる鰹節にしていただきました。

特別にアレンジを加えた焼豚のたれで作った
特製焼豚に

旨味、風味が「ふわっ」と広がる手火山式鰹節を纏わせて完成した

鰹豚は、まさしく唯一無二の絶品焼豚に仕上がったのです。

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第三話 鰹豚のお話

豚肉には“旨味”物質として知られるイノシン酸が含まれています。

そして、なんと鰹豚を美味しくしている決め手”鰹”や”鰹節”にも、

このイノシン酸が多く含まれているのです。

ご存知のように松屋の焼豚は、基本醤油味、

醤油には、別の”旨味”成分グルタミン酸が含まれています。

旨味というのは、組み合わせることで、より一層美味しくなるんです。

これが”旨味の相乗効果”です。豚と鰹にたっぷりと含まれた旨味に

醤油が組み合わされ、飛躍的に美味しさを増しました。

鰹豚が美味しく仕上がったのには素材の良さに加え、

旨味の秘密があったのですね。豚と鰹の美味しいお話でした…
(第1話〜第3話)
2020年12月 焼士 遠藤剛